ハンゾウの話
まあまあ死んでる。
まさか昨日一生懸命うんうん唸って書いた部分が消えるって、……ある?
しかもちゃんと同期ボタンを押してこれだぞ?
色々触って復活したから良かったものの。
「同期」で同期しないって、致命的だよ。
それでもまたevernoteに戻ってしまったんだけど。
消えるという表現は、アクションが遅いせいで競合したファイル出現すら遅いから実際一定時間消えたんだよね。
困るなあ。
小説(小ネタ集)は出すものを決めたので、割と近日中には出せる。
何も成せずに十二月は終わろうとしているけれど、今月はそういう月なんだと思って諦める。
忙しい。日中する事が多い。寒い。体調も悪い。寒い。
今日はハンゾウのことを考えていて、
独神とハンゾウの組み合わせだと子供を作るって考えそうにないよなーって。
現実的に考えて、無理だと思っちゃう。
弱味を増やすことも躊躇われる。
独神も八百万界や英傑よりも、子どもをとる自分がいそうで怖いと思っている。
ハンゾは独神が一番にしろ、子に何かあれば独神の悲しみが目に見えるし、かといって二人を守るとは言い切れない。独神を守るだけで精一杯。身を投げうっても守れない場面が今後あるかもしれない。
子供をもうけるのならば、せめて戦いが終わって平和になったら。
「おばあちゃんになってるかもだけど」(寿命なし独神)
「その時には、俺は老体で死んでいるかもな」(寿命あり人族)
きっと平和になろうと子供は作らないだろうなと二人は思っている。
そして二人は致して(この会話自体は終わった後でも最中でも)
朝が来て、独神が目を覚ますと隣で小さいのが寝ている。
誰!? と思って起こしてみるとハンゾウそっくり。
「どういうことだ」
独神が声をあげた時にはハンゾは起きていて、成り行きを見ていた。
「判んない……」
子供は喋らない。よく見ると両目があって、ハンゾウとは似ているけど違う。
いや、顔のパーツを見ると結構違う。髪の色が同じだという先入観で惑わされていた。
「主、どけ」
しょっぱな子供を襲うハンゾ。だが子供の方は避ける。
「ちょっと待って! 相手は子供だよ!!?」
「だからどうした。敵の罠かもしれない」
「でも命の形が英傑と極似してる! もしかしたら私が産んだのかも!」
「独神は英傑の魂を結ぶだけではなく、新たな生命まで産むのか」
「知らない……。独神に説明書なんてないし……」
子供の方は独神に近づいている。
独神が手を伸ばすと抱き着いてくる。
「とにかく様子見ようよ。この段階で殺すのは早計だよ」
「……話にならない」
だが殺すのはやめてくれた。
ハンゾウからの刺すような視線を受けながら独神は朝の準備をして、子どもを連れて朝食をとろうとするのだが、英傑達からは驚かれる。
隠し子かとささやかれるが、それにしてはでかすぎるだろうとぼそぼそ。
子供は食事を置けば一人で食べた。
「君。名前は?」
子供は一切話さなかった。
「朝ご飯は食べられそう?」
頷いた。声は聞こえるし意思を伝える気はあるようだ。
しかし頑なに声を発しないのでもしかしたら聴唖者かもしれない。
「じゃあ書いてお話しようか」
筆記用具を置いたが一切触れない。
「……書けない?」
少し間が空いて頷いた。
情報を探ろうとすることは諦めた。
独神はハンゾウに似たこの子供のことは可愛く思えていたので、多少正体が判らなくとも構わなかった。
ハンゾウの方は大いに問題視していた。
「殺すなという命には従ってやる。だがそいつからは離れろ」
子供は独神に抱き着いた。独神も自分に縋る小さな生き物を手放しがたく思った。
「貴様はいつも甘すぎる」
ハンゾウは子供に向かって何かを投げた。
音が鳴って、独神が確認するとクナイだった。刺されば死ぬ。
「ハンゾウ!」
「文句は後で聞く」
ハンゾウが子供を殺しかけたことではなく、もっと驚くべきところがあった。
子供は独神の傍にいるままにクナイを避けていた。
急所を外して刺す気でいたものをいとも簡単に避けてみせたのだ。
並の人間に出来ることでもなければ、幼子が到達出来る領域でもない。
「良いだろう。少し本気をみせてやる」
「ちょっと!」
子供は独神の傍から離れた。
ハンゾウの猛攻を避け続け、多少かすりはしたが殆ど無傷である。
(忍の里で産まれただけではこの技術は手に入らない。子供は見た目だけか。もしくは人工的に作り上げたものか)
ハンゾウは試しに独神の方へ棒手裏剣を投げた。
独神がじっとしていれば当たらないもの。
しかし、独神は子供への攻撃をやめさせるために、子を庇おうと動いていた。
自ら手裏剣の範囲に飛び込んでいく。
手裏剣に貫かれる。そんな未来が見えた。
しかし、訪れない。
「大丈夫!?」
棒手裏剣は子供の腕に刺さっていた。
独神に当たる直前に独神を押しのけ、自分に当てさせたのだ。
「誰か。手当てをしてあげて」
独神に抱えられた子供は英傑たちのお陰で一瞬で傷を癒された。
「ハンゾウ! 私に当てようとまでして、こんな小さい子刺して、そういうの駄目! 判ってるけど! 心配してくれてるの知ってるけど! でも止めて」
「……監視は続ける」
ハンゾウは消える。多分その辺りにはいるが独神では気配を感じられない。
「ごめんね。私なんかを庇わせて……」
子供を盾にさせた罪悪感が言葉を迷わせた。
謝罪の言葉だけでは足りないし、償いも思いつかない。
口をかたく結ぶ独神を子供は撫でた。にこっと笑って。
元気づけようとしているのが判る。
「……優しいね。ありがとう」
撫で返すと子供は喜んだ。
そこからは子供は独神に張り付いていた。
うろちょろとしているが、独神の足運びを邪魔する事はない。
仕事の最中も独神が何も言わずとも、必要資料を手渡し、給仕もした。
子供らしかぬ働きっぷりに周囲は驚いた。
「愛想のあるハンゾウって感じじゃね?」
「ちょっと手合わせしたが、子どもにしては面白い動きだった」
「独神ちゃんにべったりでムカつくんだけど。……でも僕の気配にも気づくし、殺気なんて即バレちゃう。今から風魔でしごけば立派な忍になるけどどーする?」
英傑達には物珍しがられて玩具にされて。
子供の方はそれが嫌そうには見えなかった。
寧ろ日常のように見える。英傑達の特性も既知のようで、謎は深まるばかり。
唯一判るのは、独神のことを慕っていることだ。
独神を見る眼差しは嘘のように見えない。
独神も子供に優しかった。つい構いたくなった。触れたくなった。
一日終わり、子どもは当たり前のように独神と寝る。
独神の胸に顔を摺り寄せる子供を撫でる。
(子供がいたらこんな感じなんだろうな)
独神はハンゾウに似た子供が愛しくなっていた。今朝からの付き合いでしかないのに、確実に愛情がうまれていた。
「ねえ。私のこと好き?」
子供は大きく頷いた。
「じゃあ、ハンゾウのことは?」
眉間に皺を寄せた。だが小さく頷いたのは見間違えではない。
笑ってしまった。
「君が本当に私たちの子供なら、良いな」
心からの言葉だった。
子供を抱きしめて、独神は寝た。
しかし、夜中に目が覚めた。
「なんで」
腕の中にいた子供はいなかった。
辺りをみると部屋の中に立っていた。
しかし、身体が半透明になっていた。
「母上」
子供が初めて声を発した。
「また、お会いしましょう」
部屋の景色だけが残り、子どもだけが消えた。
独神は状況が理解出来なかった。
結局夢だったのか。それにしては生々しい。
それに「母上」とは。
(それを知るのはまだまだ先だな)
妙な話だが、子どもから母と呼ばれてしっくりきた自分がいた。
当たり前だと受け入れた。
また、と言ったように、また会える気がした。
「ハンゾー。ちょっと来てー」
呼ぶとすぐにハンゾウが現れた。
「さっきの。どう思う?」
「不明だ。集団幻覚を見せて本命から気を逸らしたかったのが有力だが」
「もし。あんな子が私たちの子供にいたらどうする?」
「どうもしない」
つまらない答えだった。
「俺の劣化品など不要だ。……だが主の盾はいくつあっても良い」
独神は呆れた。
「がっかりだよ……。もっと言い方ないの」
「ない。だが」
ハンゾウは言葉をきった。
「あれは主によく似ていた」
独神は不思議に思った。
「いや。どう見てもハンゾウでしょ。見た目も身体能力も」
「雰囲気は主に似ていた。庇う時の即断力も貴様にそっくりだ」
言われてもぴんとこない。
「消えたのだからもうどうでもいいだろ。それより、暫く周囲の警備を強める。気を引き締めていろ」
話したりなかったが、ハンゾウはこれ以上付き合ってくれそうにない。
「主。……早く界を平和にしてしまえ」
ハンゾウは口元を緩めてそう言った。
きっと、ハンゾウもまた子どものことを完全な他人だとは思えなかったのだ。
多分。そうだろう。
「了解。じゃあこれからもよろしくね。冥府六傑のハンゾウさん」
鼻で笑った音の残して、ハンゾウはいなくなった。
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てな感じの話を考えてた。
細かい所は書いてないんだけど、大体の流れはね。こんな感じ。
・子供は未来から来ていて、話さないことが条件だった。
・もっと子供らしくない描写がある。
・だから子供らしく扱いたい独神描写がある。
・ナバリみたいな子供。常に独神にくっついてる。
・ハンゾも子供を襲う最中、少し楽しくなっている。期待してる。
・子供は英傑達を知っている。未来では本殿が続いているから。
なんかこれちゃんと清書して出せば? って感じするね。
細かい所書いてないからスイスイよ。
書きだしたらきっとね……止まりまくるんだ……そういうものなんだ……。
じゃあ、この後は本来出すはずだった方の話書くね。