イマジナリーヌラリヒョンと過ごす日々

雑多なこと。方向性は決まっていない。

さよならソルシエ 感想

さよならソルシエ (フラワーコミックスα) 著者:穂積 全二巻

このマンガがすごい!」の2014年オンナ編で一位の作品。
ずーっと気になってはいたのだが、ようやく読んだよ。

内容はかの有名なゴッホの弟と、ゴッホ自身のお話で、お話は弟の方に焦点をあててすすむ。
ゴッホが有名になるまでのお話。


感想としては……まあまあかな!

一位だと思うとハードルが上がるから、面白いよって友達から聞いた作品くらいに思うと良い。
普段から漫画批評するようなタイプ、そしてゴッホに対して造詣が深いと、多分一言二言言いたくなるのではないかと思う(レビュー見る感じ)

読みやすい作品なので、あまり漫画を読まないタイプにとても良いと思う。
だからこそこのマンガがすごいで選ばれたのではないかと思う。
これならドラマにしてもいいかもしれない。
顔のいい俳優を使って、出来ればロケ地は外国にして……。

ゴッホってナニさ? ひまわり? で?

という層に、ゴッホってこんな感じなのかな? ゴッホが作られた存在なの?
と色々な疑問を持ち、少しでも美術に興味を持ってもらえると思うので良作。

重い作品が好きな人は向かない。
創作に対しての苦しみや狂気を知る人にも向かないかも。
そういうのは、そんなに描いてないぞ。
当時の絵画作品は高尚なものとされ、許可なく売るのって駄目なんだ……とか、
なんとな~く、そういう雰囲気は感じられるぞ。


批評の中であったので調べてみたのだが、どうやらゴッホは滅茶苦茶手紙を書く人で弟のテオ宛のものが膨大に残っている。
漫画の中では一通……いや、なんか全然? 出ないんだがね。

実際の手紙から、好きだなと言う一節を。


『『芸術愛は真の愛情を失わせる。』  まったくその通りにちがいはないが、その反対に、ほんとの愛情は芸術をきらうのだ。』


これは1887年にテオに宛てた手紙だそうだ。

私は、なんとなくだがその意味は判る。
他人からの愛情供給により、自分が安定してしまったら、もう絵を描く必要はない。
感情を絵にぶつけなくとも良くなってしまう。
芸人のダウンタウン松本さんも言われてたよね。
結婚する事でキレがなくなるかもしれないと周囲は危惧したと。

愛情って良くも悪くも人を平坦にしてしまう。
平坦な人間に人を揺るがす芸術はつくれない。
尖るには安寧の中にいてはいけない。

だから、本当に心を揺さぶる作品を作れる人は、ずっと孤独の中に閉じ込めないといけないのではないかと思う。
……そんな非人道的な事はやってはいけませんが。
ただかなり興味がある話なので、もし研究があるのなら読んでみたい。